■ いちごものがたり

地震、そして津波によって、多くのものを失った宮城県山元町。
特産品のいちごもその犠牲となりました。

そして月日は流れ
町では少しずついちごの栽培がはじまっています。

「いちごの復興」は山元の復興。

全国のたくさんの人たちに山元のいちごを食べてもらいたい。
人びとの美味しい笑顔が見られるように。

可愛いいちごに願いを託した再生のためのプロジェクト。
それが工房地球村の「いちごものがたり」です。

 

■ 「いちごものがたり」ができるまで

・エイブルアート・カンパニーとの出会い

エイブルアート・カンパニーと初めて出会ったのは、2010年12月のパルコ仙台店での期間限定ショップ「HUMORA(ユーモラ)」でした。

障がいのある人たちのアートの世界、またそれを活かした斬新な商品開発に感動して、関係者の方とお話したことを覚えています。

そして、震災後に工房地球村が再開した頃、エイブルアート・カンパニー(以下、カンパニー)からお電話をいただきました。

「今、どんな様子ですか?どんなことに困っていますか」と。

「なんとか再開して、日中の居場所は確保できたものの、目の前の支援しか考えられないんです。授産活動を震災で3分の2も失くしたけれど、そろそろメンバーの仕事の再開も考えなくてはいけないのですが、スタッフも疲れていて、新たな仕事づくり、商品づくりといった創造する力がなくなってしまったんです。」

とありのままお伝えしました。

「わかりました。私たちは、何かをつくることが得意なので、時期がきたら是非お手伝いに行きますね」。

心強い応援のメッセージをいただいたのが、その時でした。

 

・山元町の「大好き!」を描く

8月になったころ、エイブルアート・カンパニーは、工房地球村メンバーと絵を描くワークショップをするために、その道のプロ集団を連れてやってきました。福岡からもはるばる来てくれました。

「これから、やりたい人で構いません。山元町の大好きなものを描いてみましょう。」ということで、後はプロ集団にお任せ!

「この人も参加したの?」と、予想もしていなかった多くのメンバーさんがいきいきとワークショップに参加。「絵を描く」ことになって、普段の作業ではあまり活躍できないメンバーさんが大活躍しました。

迷いのない力強い筆使い。大好きな町の特産、「いちご」「りんご」への愛着からか、とってもかわいい作品が生まれました。

これは、新たな商品づくり、町づくりに工房地球村のメンバーが自ら参加し始めた瞬間でした。

 

・「想い」が「カタチ」になる

山元町の復興のため、地球村の新たなプロジェクトが立ち上がりました。

いちごの復興は山元町の復興。可愛いいちごに願いを託した復興へのプロジェクト。

それが工房地球村の「いちごものがたり」です。

メンバーの描いた山元町の特産物「いちご」や「りんご」をモチーフにした、素敵な手ぬぐいが生まれました。

今まで作っていた廃油石けんも、可愛いラッピングで生まれ変わりました。

自分たちの描いた「いちご」と「りんご」がこんな素敵な商品になり、みんな見つめ合って心から喜んだ瞬間でした。

 

「これ、私のいちごだ!これは○○ちゃんのだね。」「・・・・・・(*^―^*)。」

言葉にならない笑顔にも共感。

工房地球村に素敵な笑顔があふれました。

自分たちの想いを形にし、それを販売することで全国にその想いを届けたい。

ただ商品を売るだけではない、「想い」のこもったプロジェクトがスタートしました。

 

・「いちごものがたり」がもたらす出会い

山元町は、小さい町。甚大な被害があったのに、全国的に知っている人が少ないと、町民の一部では「見捨てられた町・山元町」という人もいました。

いちご栽培を復活し、いちご産業が発展していくことを「経済の復興」として目指す町。

「いちごものがたり」は、山元町のこと、地球村のことを全国に発信するアイテムとして大活躍しています。

 

 >いちごてぬぐいコンテスト

 

 

 

■ いちご栽培の復興と本当のいちごものがたり

山元町の130軒中120軒のいちご農家が、震災で被災しました。

それまで個人で栽培していた農家は高齢化もすすみ、一人ひとりの力ではなかなか再開はできません。

震災直後から、全国から来てくれたボランティアのコーディネートを担当していた、工房地球村のスタッフ橋元洋平君。

彼は被災した地元の人たち、全国の多様なボランティアさんとたくさんふれ合ってきました。

そして震災から1年後、彼は工房地球村を退職し、いちご産業へのチャレンジを始めました。

いちご栽培についてはド素人の橋元君。東京のグロービズ経営大学院に通う同世代の同士とともにGRAという株式会社をつくりました。

彼が目指すのは、ズバリ、いちご産業の発展による雇用の創造、町の復興。官民学と連携して、新たないちご産業にチャレンジします。

ちょうど、その頃、地球村ではカンパニーの支援によって「いちごものがたり」がデビューした頃でした。

「いちごものがたり」を「本当のいちごものがたり」へ。

今、障がいのあるお子さんを抱えているお母さんの一番の願いは、山元町で障がいのある人が働き住むことができる環境をつくることです。

橋元君の工房地球村での役割は、障がい者の就労支援担当でした。今、彼はこのGRA農場で障がいのある人の仕事づくりをすることを、ひとつの夢として温めてくれています。

いちごがつなぐ山元の未来。

私たちは尊敬と期待を込めて、橋元君を「いちご王子」と呼んでいます。

 

■ 地球村のいちごジャム

いちご農家の皆さんの被災により、今後数年のジャムづくりはあきらめ、ただひたすら、お世話になったいちご農家の復興を願っていた工房地球村。

ところが、いちご王子が運営するGRA農場や、徐々に復興し始めた地元の農家の方々からのいちごの提供で、なんと2年ぶりに!工房地球村のジャムづくりが始まりました。

施設を再開した5月9日からちょうど1年目、2012年の5月9日。

震災後初めて、地球村こだわりジャムが出来ました。

震災によってあきらめていたジャムづくり。

1年後に、橋元君の栽培したいちごが出来て、そのいちごで工房地球村のジャムづくりが再スタートできるとは、誰も考えていませんでした。

この日完成したジャムの試食のとき、感動のあまり、現施設長の田口は涙が止まりませんでした。

 

工房地球村のジャムはとってもこだわりがあります。

加工用のいちごではなく、いちご狩りで食べるような大粒の新鮮ないちごだけで作るのです。

約300グラムのいちごを180グラムになるまで、2時間かけて熟練のメンバーが煮詰めます。

品質も作り方も妥協しません。

贅沢ですが、これが工房地球村のものづくりのモットー。

満面の笑みで完成したジャムを喜ぶメンバーたち。それがおいしさのエッセンスでもあります。

 工房地球村は、GRAの新たなブランド「磨きいちご」を使って、これまで以上にこだわりのいちごジャムを作ります。

今年は限定750個。来年からはもっとたくさん作れるようがんばります。

みなさまどうぞ応援よろしくお願いします。

 

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