■「工房地球村」のはじまり

平成10年、「工房地球村」は宮城県山元町に精神障害者社会復帰施設(通所授産施設)として誕生しました。

〈平成24年4月、法改正により指定障害福祉サービス事業所(多機能事業所)となる〉

正式名は「山元町共同作業所」。

「工房地球村」という愛称は、「心身にも優しく、地球環境にも優しい商品づくり」という目標を掲げ、当時の職員全員で考えました。

「大きいスケールで施設をつくっていきましょう!」初代施設長・矢吹セツ子さんの言葉をがきっかけです。

「私たちは障がいを持ちながらも、地域でいきいきと暮らせるように、地域の皆さんにご支援をいただきながら、いろいろなことにチャレンジし、自立と社会参加を目指します」。

矢吹さんが最初につくったこのコンセプト。
これが工房地球村の始まりで、今も引き継いでいる思い、目標です。

 

■伝えたい想い ~3.11東日本大震災と工房地球村

山元町は宮城県の沿岸部の最南端、福島との県境にある人口16,000人の小さくてのどかな農業と漁業の町。

東日本大震災では、町の3分の1が大津波で壊滅状態となり、632名の方が犠牲になりました。

工房地球村は、山元町のちょうどまん中あたり、国道6号線から少し山の方へ入ったところに位置しています。小さい町なので、日中活動支援、相談支援、療育支援などが、この一つの施設に集約されています。

地震があった時は、「国道まで津波が来ている!ここも危ないから、もっと山へ逃げろ!」と避難する地域の方に教えられ、全員で避難し、地球村にいた人たちは無事でした。しかし、大切な家族を亡くしたり、家族は無事だったものの、家が流されたり、全壊したりと被災の状況は深刻でした。10数名のメンバーは避難所生活を経て、今は仮設住宅暮らしをしています。

登録している地域のボランティアさんについても、約8割の方が被災されました。

さらに、たくさんの地域の方々が亡くなってしまいました。そして、これから地球村を背負って立つべき、若い男性スタッフも一人、亡くなってしまったのです。

 

山元町の産業、農業も大きな被害を受けました。

工房地球村の顔となる商品、「いちごジャム」作りを支援して頂いたいちご農家の130軒中120軒が被災し、町の特産品いちごは作れなくなってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

■復興に向けて私たちができること

みんなが、その日その日を生きるのに必死だった震災直後から2ヵ月後。

ようやく、工房地球村の運営を再開することができました。

全国の精神科クリニックのスタッフ、障がい者支援団体のスタッフ、地域のボランティアさんが支えてくれました。余震が続き、まだまだ不安な中、工房地球村に集まることで、心身のリハビリを始めました。

佐賀県から来てくださった精神科の先生が1ヵ月、ボランティアで工房地球村に仙台から通ってくれました。心身のリハビリは、メンバーだけではなく、家族、スタッフ、ボランティアさん、差し入れに来てくれた地域の方にも。

障がい児を抱え、避難所を利用できなかったお母さんたち。それまで自分が頑張って子どもを守ってきました。

「地球村が再開して、やっと、震災前に戻れる気がする」と、あるお母さんは、その時、震災後初めて泣いたそうです。

工房地球村に集まる全ての方が、寄り添って、分かち合うことで、少しずつ笑顔を取り戻し、一歩一歩、歩む力を蓄え始めているようでした。

 

この震災が発生する前は、工房地球村は地域の皆さんにとてもお世話になっていました。

また、避難所でも、地域の顔見知りの方々が見守ってくれました。

東日本大震災からの町の復興には、「経済の復興」「生活の再建」「心の健康の回復」が必要です。

私たち工房地球村は、私たちの出来ることで復興への活動に参加したい、お世話になっている地域の方々に、何かお手伝いができないか、と考えています。

生き残った公共施設、福祉施設として、地域にお世話になるだけでなく、これからは地域貢献できる活動もメンバーと一緒にチャレンジすることで、町の復興に参加したいと考えています。

そのことが、「私たちも誰かにこんなに喜んでもらえる事ができるんだね」と、被災地となった山元町に住むものとしての役割です。

そしてこの実現は障がいのある人たちが生きる力を取り戻す、地域で生活することに自信をつけることにつながると、信じています。

 

「キラリやまもと!みんなの希望と笑顔が輝くまち」をテーマに、山元町の復興計画は平成30年度までの8年計画となっています。

現在は復旧期。壊滅したJRの駅も、新たに完成するまで5年かかる予定です。

「復興の主役は町民ひとりひとり」

私たち工房地球村も、自分たちの出来ることで町の復興に貢献していきたいと考えています。

 

■山元復興に向けた工房地球村の取り組み

>いちごものがたり

 

 

 

山元町の特産物、いちごを使ったプロジェクト。
いちごをモチーフにした可愛い雑貨やおいしいお菓子を通して、山元町のことを全国に発信します。
また地域のいちご産業とコラボレーションすることによって山元町のブランドづくり、お土産づくりにチャレンジしたいと考えています。

 

>地球村カフェプロジェクト

 

 

 

みなさんの「心の健康の回復」のお手伝いをしたい。

いつでも工房地球村に交流に来ていただき、当事者も家族も地域の方も、みんなで交流したり、同じつらい経験をした方々がピアサポートできる場所づくりを目指していきます。

地球村に来ることで、みんなが笑顔を取り戻せるように。

新たなコミュニティスペースをつくるため、地球村のカフェプロジェクトが始まります。

 

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山元町共同作業所 工房地球村

〒989-2112
宮城県亘理郡山元町真庭字名生東75-7
電話(0223)37-0205 / fax(0223)37-0203

>山元町共同作業所施設概要

>山元町社会福祉協議会HP